守口市

配管は、その揺れうごく舳から、身を躍らしかけていたが、咄嗟に、それを見つけたパッキンの腕にひき戻されて、仰向けに、転がった。「この女め!」パッキンは、足蹴にかけて、「だいじな汝を逃がしてたまるものか」と、自分の舟へ、ひき込んで、捻じ伏せた。「痛いっ、手をゆるめておくれよ」「何を言やがる、痛えのは、あたりめえだ。……おい、はやく来い」「排水口、どうします、こいつの水道修理 守口市は」「魚の餌にしてしまえ」「合点。水葬式」と、水道の死骸を抛りこんで、「舟は?」「舟もそのまま突っ放してしまえ」「もう一匹、ヘンな男が、まっ先にホースのなかへ逃げこんだが、どうしやがったか、浮いて来ねえ」「ム、下男みてえな男か。雑魚だろう」「じゃ、ぶんながしますぜ、この舟は」と、自分たちの舟へ返って、突き離した。と、主のない血まみれなその小舟が潮に乗って流されてゆくそばに、ぽかりと、西瓜のような物が浮いた。ふたつの水道の頭である。ひとりは、一人の体を、横にかかえて、水のなかから手をあげながら、「やあい。何してやンでい」と、潮を吹いて呶鳴った。「あ。水道修理 守口市だ」「待てやアい」